平成24年度第6回、通算30回目の自立支援講座が3月18日、東京・北区の滝野川会館小ホールで開催されました。
今回の自立支援講座は「話します自分の仕事のこと~ふたたび」。自立支援講座は、これまで延べ30回開催、取り上げたテーマは、身だしなみ、性、法律問題など様々ですが、就労している知的障害者が自ら自分の仕事について語り、1日の就労の様子をビデオ紹介する「話します……」は、2007年2月18日に初めて開催し自立支援講座の原点ともなったもので、このテーマは今回で6回目。制作したビデオは既に10本にのぼっています。そこで今回は、撮りためたビデオと新たな取材による“総集編”を制作・上映するとともに、これまで登場していただいた方の中から何人かお呼びして、現在の状況やこれからの夢を語っていただき、さらに、その方たちの親、就労先の担当者、就労支援者の方によるパネルディスカッションを実施することにしました。タイトルに「ふたたび」が入っているのはこうした理由からです。
当日は、これまで登場していただいた12名の中から7名、また本人の母親、就労先の上司や人事担当者、北区の障害者就労支援センターの方6名が駆けつけてくれました。
午後2時に開始、当NPO法人理事長の挨拶に続いて、早速、総集編ビデオの上映。何年か前の懐かしい映像もあれば、昨年12月に撮影した映像もあり、登場した方たちが勤務する中で成長してきたことが、映像で訴えかけてきます。
ビデオ上映終了後、7人のご本人それぞれに、就職した頃のこと、現状、今後の夢などを語ってもらいました。このあとの親や就労先の方たちのパネルディスカッションでは、「知的障害者の就労の今とこれからの課題」をテーマに6人の方に話していただきました。
まず本人の親の方から、「就労したての時は、“臨機応変”が一番難しかったが今は問題なくなり、本人にとっても生きやすくなったのではないか。それがこの6年間の一番の進歩。それは家庭では難しく、職場だからこそ可能だったのではないかと」の話がありました。
続いて、就労先の上司や人事担当者、就労支援者の方たちから、一人ひとり得意なことと苦手なことが違うので、それぞれに合ったツールを工夫しているとこと、勤務年数が長くなって高年齢化した場合の対応(業務転換や配置換えなど)も考えなくてならないこと、ビジネスマナーや社会規範をきちんと身につけてもらうことの重要性といった話が出ました。
パネリストのディスカッション続いて、会場参加者との質疑応答があり、会場退出時間の5時ギリギリまで熱心な話が続きました。
最後に理事長から「今日は、たくさんの方たちのお話しを聞くことができて、中身の濃い集まりができた。私は以前から、障害のある人ない人が共にいる場が大事と考えているが、教育の場は必ずしもそうなっていないことがある。就労の場では、先駆的な皆さんが切り開いて、そうした環境が整いつつある。色んな課題を抱えているとは思うが、今日の会で新しい希望、何らかの芽生えを見いだせたように思う」との話がありました。(事務局長)