「働きたいのに働けない」状況の人々について考えていると「だれもが働かなければならないのか」という問が生まれました。そして「働くとはどういうことか」という問にぶつかりました。
そこで思い出したのが第23回自立支援講座「働く幸せ」に向けて~知的障害者に導かれた企業経営と国への期待」(2010年1月23日実施)です。
この回は日本理化学工業会長の大山泰弘氏を講師としてお招きしました。日本理化学工業は主にチョークを製造する会社です。
あるとき特別支援学校の先生から2人の生徒を雇用してくれないかと頼まれて、軽い気持ちで雇用しました。知的障害者を一般企業が雇用するなど珍しかった時代です。2人を雇用したもののチョーク作りの現場でどうやって2人に仕事を覚えてもらうか、悩む日々でした。しかし彼らが出勤途中の信号の色を識別して行動するのをみてヒントを得ます。色を作業に取り入れて2人が作業に取り組みやすくしたのです。それがきっかけで作業の、工夫が進みました。また知的な障害者の雇用が進んで障害者雇用率70%を達成しました。
「人の幸せは「人から愛されること」、「人からほめられること」、「人の役に立つこと」、「人から必要とされること」の4つです。」
知的障害のある人が熱心に働く姿を見て、「なぜ彼らは施設より工場で働くことを選ぶのか」
と言った大山氏に対してある住職の答えです。大山氏が大切にしている言葉です。
「働く幸せ」大山泰弘著
久しぶりで読み直してみようと思います。
管理者兼児童発達支援管理責任者 福喜多明子