7月の6日、放課後デイサービス勉強レストランそうなんだ!!の利用者保護者会で「個人指導と放課後デイサービスから見えてくる事」というテーマを指導員の土屋から話をさせていただきました。

土屋指導員の、障害を持つ人々と関わってきた経験の中から、感じたこと、保護者の皆さんにお子さんの成長を見届ける上でお伝えしておきたいことを話しています。

詳しい内容は以下の通りです。

 

 

「個人指導と放課後デイサービスから見えてくる事」

<私と認定NPO法人勉強レストランそうなんだ!!との関わり>

勉強レストランそうなんだ!!に関わってきたきっかけについてお話します。私の前職は教員で、小学校中学校で、特別支援学級の担任をずっとやっていて、退職して、なにかできることがあればとボランティアを志願したことからです。

それから、スタッフの一員として、いろいろなことに参加してきましたが、今は個別指導と放課後児童デイをやっています。

個別指導は現在土曜日に行っています。何年も通っている生徒ばかりで、長い人は8年間教えています。中学生から通っていて、今は作業所に通っている生徒もいます。

放課後デイは開設前後に関わり、今は、応援スタッフとして、緊急スタッフとして非常勤職員をやっています。

今日は個別指導と放課後デイサービスから見えてくる事ということで、学習指導をしてきた経験からお話したいと思います。

 

<積み重ねによって子どもは必ず伸びる>

まず、子どもは、障害があるなしにかかわらず積み重ねによって伸びるということです。その積み重ねのパターンや速度は皆違います。私は個別指導や放課後デイを通して、積み重ねの大切さを実感しています。

この積み重ねが大事ということを前提にして、お話ししていきたいと思います。

学習指導をする時には、発達段階に応じて、そしてその子にあった指導法を心がけています。

発達段階に応じてということは、発達段階を見極め、順序にそって学ぶことです。例えば算数の場合は、数の概念から足し算、引き算、かけ算、わりざんに進みます。数の概念は1対1対応、大小、多い少ない、順序、数唱等で、算数の土台になるものです。生活の中での体験が大きいです。この土台をしっかり築くことがステップを進む力になります。数の概念を身につけて、足し算、引き算に進みます。繰り上がり繰り下がりの計算に進むためには10のかたまりを意識できるように、繰り返し学びます。この発達段階にそっての学習は、後でつまずかないようにしっかりやりたいと思っています。

次に、その子にあった指導法についてです。

指導法はそれぞれで、それぞれの個性に応じてアプローチの仕方を考えます。

算数では、足し算を教える場合、量として理解、数の順序を理解しているか見て、アプローチを考えます。足し算の導入では具体物を使うことがありますが、具体物にもおはじき、タイルからシール、丸等で数える、あるいは指を使うとか様々な方法があります。その子にあった方法を使いますが、常に、先程話した土台を確認しながら進めます。数を量と順序でとらえられるように、スモールステップをきちんと積みながら、先の目標に進んでいきます。そこから具体物を使わないで足し算ができるようになります。

また、意識して、ゲームやクイズ等、 遊びの要素を入れることもあります。例えば2つのサイコロを使うと様々な計算の練習になります。

もうひとつ、得意不得意についてです。得意なことはどんどん伸ばしたいです。得意なことを発見したいです。お家の方もぜひ私たちに「うちの子は・・・。」と宣伝してください。また、苦手なことは気にかけておくようにして、アプローチのチャンスをうかがいます。

学ぶことが楽しくなる手がかりをいっぱい持つようにしたいです。

 

<どのお子さんも伸びる時期がある>

最後に皆さんにぜひお伝えしたいことがあります。

どのお子さんも必ずぐんと伸びる時期があります。停滞、後退に見えても、それは成長の一場面です。様々な場面、年齢のお子さんを教えてきた体験から実感しています。

個人指導、放課後デイサービスは長いスパンでお子さんの成長を見ていけます。学校の教員とはまた違った魅力を感じるようになりました。お家の方は、もっと広く長くお子さんと共にいるのです。その時々のサインを見過ごさないようにしましょう。ずっと見守ってあげてください。

大人になって、分数がわかった人がいます。大人になっても学ぶ意欲があるのです。勉強する楽しさがわかると世界が広がります。

指導員 土屋陽子