放課後等デイサービスで働く上で役に立つ研修のひとつに、強度行動障害支援者養成研修というものがあります。私も働き始めてすぐに受講させていただきました。
勉強レストランそうなんだ!!には”強度”と認定されるほどの行動障害の状態にある児童はおりません。
それでも日々の支援に役立つヒントをたくさん与えてくれるものでした。
教科書の中で示される事例の中で印象的なものに、”ノゾム君のハンバーグ”というものがありま す。
自宅での夕食時、ハンバーグの大好きなノゾム君が自分の分をペロリと平らげます。それを見て喜んだお父さんとお母さんが、自分のお皿から「これも食べるかい」とノゾム君のお皿にハンバーグを移してお代わりをあげます。
これだけならなんの変哲もないエピソードなのですが、ノゾム君はそれ以来、給食の時間に同級生のお皿からハンバーグを横取りするようになってしまうというお話です。
この事例は”誤学習”というものでして、ノゾム君はお父さんやお母さんのお皿からハンバーグを譲ってもらった経験から、人のお皿に乗ってるものでも食べて良い、という誤った学習をしてしまったのです。 彼らが何も学習していない・できないわけではなく、理解の仕方や捉え方が異なっているということを表しています。
ノゾム君におかわりのハンバーグをあげる場合は、誰も使っていない別のお皿やフライパンにとっておいたものを、よそってあげたほうが良さそうです。
正解の支援が常に存在してくれるなら簡単ですが、迷いながら向き合うことも多いです。 それでも、今目の前にいる子どもたちにできる支援を考えながら取り組んでいきたいと思います。
(指導員:磯貝佳史)