勉強レストランそうなんだ!!がこれまでに行ってきた自立支援講座。

テーマ毎に自立支援講座の記録をご紹介しながら、放課後等デイサービス指導員が読み返し、さらに質の高い支援につながるヒントがないか探してみようと思います。

ちなみに本記事中で紹介される人名や役職は参照元記事の公開当時のものです。

 

今回取り扱うテーマは『きょうだい児』についてです。

きょうだい児をテーマとした自立支援講座はアーカイブに2回分の記事が公開されています。

 

 

第31回 「知的障害者の兄弟姉妹の“立ち位置”」(2012.6.24)

http://so-nanda.com/2012/06/29/51/

 

この記事を書かれた方は文化人類学を専攻されていた学生で〝知的障害者のきょうだい〟をテーマに研究をされていたようです。

きょうだい児は親以上にライフステージの変化を共有し、時には相互に影響を与え合う関係であることが読みとれます。

カムアウトできずに抱える不安と、カムアウトしたところでそれを受容できる相手なのか、社会なのかという不安は今現在においても通底します。

一方で当事者グループや家族グループに代表される、境遇を同じくする人同士の集まりに参加することで、そうした不安や悩みを分かち合うことの有効さも普遍的なものだと思います。

福祉サービスをフル活用すること。専門家に頼ること。たくましくとはいかずともしぶとく楽しくやっていこうという元気をもらえる記事でした。

 

第46回 「知的障害のある人の兄弟姉妹の思い」(2016.11.5)

http://so-nanda.com/2016/11/07/2268/

 

続いての記事はきょうだい児当事者による〝ホワイトきょうだい〟と〝ブラックきょうだい〟というインパクトのある造語から始まります。

きょうだいに限らずこのホワイトとブラックは、障害者に関わる社会の人全員がどちらかに分類されてしまうものでしょう。

たとえば結婚というライフステージの変化を取り上げても、配偶者の親戚に至るまで十全な理解を得られるのかと考えると自信を持った結論は出せません。

信託や不動産相続についての言及もあり、後半は2011年から2016年までの障害者に関する法律の動きがまとめられています。

法設計として自立を促す方向で動いているらしいことが読みとれます。

不動産の所有権を障害者に持たせて不労所得で収入を安定させるというのは、万能ではないにせよ一つの手立てかなと考えていたところもあるのですが、まだまだ不勉強であることを自覚いたしました。

(指導員:磯貝佳史)