知的な障害のある人が携帯を持ったり、ネットを使ったりして大丈夫だろうか?

だまされたり、犯罪に巻き込まれたりしないだろうか?

大方の保護者が悩む課題です。

 

ある保護者は、成人した障害のある娘さんにキャッシュカードを持たせました。娘さんが一般就労をして、活き活きと働く様子を見て、いずれ持つのだから良いだろうと判断をしたのです。

しかし結果はというと、何年後に娘さんに成年後見人を付けることになりました。リボ払いなどで買い物がかさんで、ついに督促状が来るようになったからです。

実はこれ、私自身の経験です。苦い経験です。

 

携帯やネット、カードなどを知的な障害のある人が持つ場合は、年齢や周囲のフォロー体制など考慮しなければなりません。

だからといってパソコン同様、どうせ上手に使えないからと彼らからネットやカードなどを遠ざける必要はないと思うのです。

人々の生活を変えていく大きな技術革新にはリスクと同様メリットがあります。メリットがあるから拡がるのでしょう。

そうしたメリットが知的な障害のある人の生活をむしろ豊かなものにしていくよう願っています。

(福喜多明子)