10月の2回目の工作の時間は、10月20日。水彩に取り組んだ。
何故だか学校では教えない筆と筆洗と雑巾の扱いをきちんと教えた。これを理解しないと、上手に絵の具は扱えない。小学生時代の私は、これを習うことがなかったので、水彩は嫌いだった。そうなって欲しくない。
後は何の題材もなく、ただ5色の絵の具を混色して色を作り、紙に塗ってもらう。30分くらい持てば良いかなと思っていたけれど、どの子も疲れることなく1時間近く色を混ぜて塗る作業を繰り返し、絵の具の“お代わり”をする生徒も。最後に「今日は楽しかった~」と言いつつ帰宅する生徒もいた。
その姿を見て、頭に浮かんだ言葉が「素材を楽しむ」。自分の持てる力で、目の前にある素材を楽しむことが、彼らの喜びなのだと再認識した。「こんな色を作るにはどうしたらよい」とか「何を描く」とかは、その後にある。今は絵の具の楽しさを体験して理解し、純粋にその時間を楽しんでもらえばよいだけ。
仕上がった絵には、彼らの“今”が現われていて、とても興味深い。紙の端まで塗りたい人、字を書く人、大胆に塗る人、などその個性はどれもおもしろい。
来月ももう一度水彩に取り組んでみよう。次回は「ぬり絵」もやってみようかと思う。
(指導員:稲角久美子)