知的障害がある人々のための「性と社会マナー」、12/6に第40回自立支援講座

2014年12月6日(土)の午後2時から、赤羽文化センター(東京・北区)で第40回自立支援講座を開催しました。テーマは「知的障害がある人々のための『性と社会マナー』」。講師は、日本障害児性教育研究会の山本良典氏。同氏は、当NPO法人主催の自立支援講座で、2010年から延べ6回、このテーマで様々な角度からお話いただいています。
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当日は、最初に障害児にとって性的行動は問題視されやすい傾向にあるが、「困った行動」と「困っている行動」の違いについて話がありました。「困った行動」は支援者が障害児性的行動を問題視し否定・禁止している結果であるが、「困っている行動」は適切な支援がされていないために、本人がどうしてよいかわからず困っているのです。本人の視点から性的行動を見直すことが大切です。性的ニーズは基本的権利であること、さらに地域生活を豊かにするためにも肯定的に性の支援をすべきと語りました。続けて障害者の性に対する認識が、かつての優生保護法に象徴される否定的なとらえ方から、ノーマライゼーション、ヒューマン・セクシュアリティ(一人ひとりの生き方に関わる人間教育)、そして障害者自身による発言の場が持たれるなど大きく変化していることを説きました。障害の原因は400くらいあり、遺伝的要因による障害は5%程度とのことです。
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また障害児が性を肯定的に学ぶ機会は、学校、家庭、社会それぞれに意識や誤解など問題があるため、ほとんどないと山本氏は言います。さらに同氏は、大人にならない子はいないし、そのためには対人関係とマナーを学んで性的発達を肯定的に受け止めるべきとし、性的発達への対応として、初潮と月経、精通現象とマスターベーションの指導などに触れました。
発達に応じた支援として、小学部段階では「性指導はしつけから始まる」とし、食事、排泄など基本的生活習慣の確立などが重要とし、たとえば「男女トイレの区別と使い方」を指導例に挙げました。中学部段階では「成人への準備」として生理の手当、マスターベーションについて触れ、「対人関係を豊かにする」ため親離れ・子離れを強く意識すべきと語りました。
高等部段階は、社会生活・職業生活への準備が始まり、適切な人間関係の取り方など社会的スキルの獲得が求められ、具体的指導内容として男女交際、性犯罪、性被害、性交(妊娠、避妊)、結婚・育児などの話にまで及びました。
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このほか自分を知り社会を学ぶ本人学習会の意義、プライベートとパブリックの違いを明確に意識することなどについても強く触れました。「想像以上にディープな内容」(参加者の声)の自立支援講座は午後4時半に終了しました。