8月25日、5回目の「そうなんだ発見教室」が、9時30分から11時30分まで開かれました。今回の場所は滝野川文化センター(東京・北区、滝野川会館内)の視聴覚室。参加した児童・生徒は9人。
まずは恒例の自己紹介。この日の「好きな○○」の○○は食べ物。続いて1時間ほどの宿題タイム、そして10分旧休憩をはさんで“発見授業”です。今回担当する学生講師は西香弥さん、テーマは、「夏の風物詩“花火”を描こう」です。
西さんは、花火の写真をプロジェクタで見せました。隅田川花火大会、板橋花火大会、東京湾花火大会……と、次々きれいな花火の写真が映し出されていきます。子どもたちも、今年の花火の体験を思い出しながらじんわりと花火の写真を見ています。う~ん、見事な写真ばかりです。
この花火を、この日はスクラッチ技法というやり方で描くのです。手順を西さんが説明します。A6版ほどのマット紙の台紙にクレヨンやクレパスで好みの色をまんべんなくぬります。この時、下の台紙が隠れるくらいしっかりぬりつぶすのが大事だそうです。好みの色がぬれたら、その上からさらに黒のクレヨンで全体をぬりつぶしてしまいます。この時も、下にぬった色が全部隠れるまでまんべんなく黒をぬるのが鉄則です。これで真っ黒にぬりつぶされた台紙ができあがりです。これをいったいどうするのでしょうか?
子どもたちは、自分の描きたい花火の色を一生懸命台紙にぬっていきます。赤、黄色、オレンジ、青、白などなど、とてもきれいな模様が台紙に塗られていきます。色がぬれた子から、台紙を黒く塗りつぶしていきます。これもみんな、下の色が隠れるようにととても真剣です。
ここまでできたら、竹串(または楊枝)で台紙をひっかくようにして絵を描きます。するとすると、黒色のクレヨンの層がはがれ、線をつけたところに赤や黄色のきれいな線が、まるで花火の火花のように表れてくるではありませんか。夜空にきらりと光る色とりどりの線が、一本いっぽん描かれていきます。
子どもたちも夢中になって花火を描いていきます。大きく空に広がる黄緑の花火や、高い空と低い空で淡く濃く咲く花火までとてもみんな独創的です。
絵が完成したら、西さんにアイロンで定着してもらいます。アイロンは直接でなく熱に強い紙の上からかけました。カバーのために透明な封筒に入れたら完成です。
こんな簡単な方法できれいな花火が描けるなんて、とってもびっくりですね。子どもたちにも、これは大きな発見になったのではないでしょうか?
私たち学生も、子どもたちの描くイメージにとらわれないあざやかな色の花火やいろいろな形の花火を見て、「こんな花火もきれいだなぁ」と気づかされました。一人ひとり、同じ花火を見ても感じている世界や見え方は千差万別なんですね。
子どもたちも発見教室に慣れてきたようで、この日も学生講師たちとも楽しく活動しました。とってもすてきな発見の詰まった授業をありがとうございました。(入澤裕貴)