本年度第1回(通算31回)の自立支援講座開催、テーマは「知的障害者の兄弟姉妹の“立ち位置”」

blog120624-01.jpg本年度第1回、通算31回目の自立支援講座が、6月24日に東京・北区の滝野川文化センター(滝野川会館内)で開催されました。今回のテーマは、「知的障害者の兄弟姉妹の”立ち位置”」。知的障害者と同じライフサイクルを生きる兄弟姉妹は、たとえ直接口に出さずとも、親と同様、時には親以上に深い悩みを抱えている場合が少なくありません。「障害がある自分の兄弟を、友達にどう説明しよう?」、「結婚相手は障害について理解ある人を選ぶべき?」、「親亡き後は自分が障害のある兄弟を支えていくの?」等々。 だからこそ、兄弟姉妹に対する支援を考えることは重要であると言えます。
今回の講師は、あい権利擁護支援ネットの理事で、社会福祉士・臨床心理士でもある小嶋珠実氏。小嶋氏は現在12名の方の成年後見人(保佐人、補助人を含む)を受託しており、兄弟姉妹の悩みにも関わってきました。
午後2時にスタートした当日は、知的障害者が兄弟姉妹にいる大学生など若い人たち12名を含む、計26名が参加しました。前半は、小嶋氏が今まで実際に受けてきた相談や事例をもとに、兄弟姉妹への支援の重要性、親と兄弟姉妹の違い、障害者と兄弟姉妹間でのトラブル、兄弟姉妹の抱える将来に対する不安などを約1時間話し、最後に「障がいのある人を家族にもつ人へ」と題して以下、6項目を挙げました。
 ・最大の権利擁護者に!
 ・ご自身の生活、人生を大事に!
 ・使えるものは何でも!
 ・社会に対してあきらめないで!
 ・楽しいと感じられる時間を!
 ・家族だけでがんばらない!
blog120624-02.jpgいったん休憩を挟み、後半は兄弟姉妹の人たちを中心に質疑応答・ディスカッションが行われました。「数字が苦手な障害のある姉の金銭管理に、弟の自分がどこまで口を出していいのか」、「友達や結婚相手に、兄弟の障害をどのように打ち明けてきたか」あるいは「打ち明ける予定か」など、兄弟姉妹や親が日頃から抱えている想いや疑問が活発に議論され、午後4時半過ぎに終了しました。
今回の自立支援講座を通じて、筆者と同じ境遇の兄弟姉妹が、同じように悩みや不安を抱え、時にはそれを乗り越えながら生きてきたという事実を知り、励まされたという方々が筆者自身も含め、非常に多かったように思います。障害者や親を全力で支える兄弟姉妹という理想像に縛られるのではなく、制度やサービスを上手に利用したり、時には信頼できる友人や他の兄弟姉妹に自分の想いを話したりしながら、自分自身の人生も大切に生きていきたい、生きていって欲しいと感じました。
筆者の自己紹介を簡単にさせていただきます。名前は、伊東由佳(いとう ゆか)です。私は現在、早稲田大学文化構想学部に所属し、文化人類学を専攻しています。文化人類学とは、非常にざっくりと言うとするならば、「他者(異文化)を理解しようとすることで、自分自身(自文化)を理解しようとする学問」といったところでしょうか。ゼミでは、今回の自立支援講座でも取り扱われていた、「知的障害者のいる“きょうだい”」をテーマに研究を行なっています。
さて、ここからは話題が少し変わりますが、現在私は電通育英会助成事業である「そうなんだ発見教室」プロジェクトの学生ボランティアとして活動しています。「そうなんだ発見教室」について詳しくは、最近のブログチラシを参照していただきたいのですが、主に知的な障害を持つ小中学生を対象に(障害のない方も参加できます)、学生ボランティアが中心となって、夏休みの宿題のお手伝いや発見授業を行います。このプロジェクトには、今回の自立支援講座のテーマとなった、知的障害者の兄弟姉妹も数名在籍しています。
私がこのプロジェクトへの参加を決めた理由は、主に2点あります。まずは、障害のある子やボランティアの人々、“きょうだい”たちと関わりあう中で、「障害」や自分自身の生き方について改めて考えたいということ。もう一つは、どうしても世界が狭くなりがちな障害のある子たちに、楽しく学びながら、わくわく・どきどきを味わえる機会を作りたいということ。…なんて、少しかっこつけてみましたが、私自身この「そうなんだ発見教室」を非常に楽しみにしています!
学生ボランティア一同、「そうなんだ発見教室」に向けて、張り切って準備を進めていますので、周りに小中学生のお子様がいらっしゃる方は、ぜひとも「そうなんだ発見教室」をお勧めくださるよう、よろしくお願いいたします(「そうなんだ発見教室」の生徒募集チラシはこちら)。(伊東由佳)
<参加者アンケートから>
・こうした会に参加するのは初めて。自分と同じ境遇に置かれている人たちがいることに安心感。モヤモヤが少し晴れて気に。(兄が障害者)
・これまで自分の未来にあまり期待してこなかったが、もう少し肩の力を抜いても良いのかなと思った。(障害を持つ弟の姉)
・親も、障害児のいる親と出会うまで孤独だった。兄弟姉妹は、親同士以上に、同じ境遇の人に出会うきっかけが少ない分、しんどいんだなぁと思った。(障害児の親)
(講演内容の詳細レポートがあります⇒こちらへ