「知的障害があればこそ幸せな就労を――早めに覚えたいビジネスマナーとPCスキル」をテーマに、本年度第5回(通算29回目)の自立支援講座が、2012年1月22日に、滝野川文化センター(東京・北区)で開催されました。PCなしの生活は考えられない今日、知的障害者といえどもPCスキルがあるに越したことはありません。また就労を継続するには、挨拶に始まる最低限のビジネス・マナーは欠かせません。しかし、そうしたことをきちんと学ぶチャンスが少ないのが実情です。
今回の講師は、日本ヒューレット・パッカードのシード(SEED=種)センターのセンター長、上田辰雄氏。シードセンターは、同社の社会貢献の一環として10年前に設立した心身障害者を対象にした人材育成職場。現在、有給でビジネスマナーとPCスキルを実務に携わりながら2年間でトレーニングするプログラムを提供しています。
午後2時にスタートした当日は、同社の障害者雇用の現状、シードセンター設立の背景、運営体制、2年間の教育スケジュール、研修内容、修了者の実績(同社も含めた転職先)などを紹介、ここで質疑応答となり1時間経過し、いったん休憩。後半は、まず具体的な仕事内容として、PC利用の場合(主にEXCEL入力)とPCを利用しない場合(社員向け荷物発送、契約書の電子化)を紹介したあと、一人で仕事ができるための個別トレーニングなどについて説明がありました。
続いて、「マナー研修の実例」。ここでは実際に使用している教材(パワポ)の紹介。まず「マナーとは?」で、日常マナーとビジネスマナーとの違いから始まり、「第一印象と磨く」、「良い挨拶とは?」、「笑顔の作り方」、「姿勢とお辞儀」などの解説がありました。次に「過去の事例(成果)」として、1年半でスキルを身につけた例、同センターではうまくいかなかったが別の就職先でうまくいった例の紹介がありました。
このあと、また活発な質疑応答があり、午後4時半過ぎに後半を終了しました。
<参加者感想より>
・PCを使っての仕事は知的障害者には難しいと思っていたので、今日の話を聞いて、子供の可能性を見なくてはいけないと思った。
・うまくいかなかったことも含めて実際にやったことの話を聞けて勉強になった。
・初めてこういう形の雇用があることを知った。実際に働いていた方の話を聞けたのもよかった。
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