1月16日(日)、当NPO法人の理事会がありましたが、初めて電話会議を活用、思ってもいなかった効用を実感しました。
理事会は、1~2ヶ月に1回、実施しているのですが、なかなか全員の理事が集まれないのがいつも悩みです。遠方に住む理事あり、外せない仕事が重なるケースもあり、ということで毎回全員が揃うのは難しいのが実状です。
この日も元々全員は揃わない予定だったのですが、加えて、直前まで出席を予定していた理事の一人が、突然腰痛に襲われ自宅から移動できなくなりました。「何とかできないか」と考えたこの理事、「電話で聞くだけでもしたい。必要な資料はFAXで送ってほしい」と連絡してきました。
この話を聞いた事務局長は、2009年11月15日の「おいしい社会科」のことを思い出しました。この時のテーマは「沖縄」。ゲスト講師として琉球大の高良倉吉教授が協力してくれることになったのですが、さすが東京までわざわざ来て頂くわけにはいきません。那覇の自宅から電話による遠隔講義をして頂くことになりました。教室の電話にアンプをつないでスピーカーから高良先生の声が参加者みんなに聞こえるようにし、沖縄の基地問題など沖縄在住の高良先生ならではの生々しい話をやさしく解説していただきました。
その時の仕組みを、この理事会でも活用すればいいと考え、急遽、電話ケーブルを延長、電話器を会議テーブルに置けるようにしました。会議が始まると、教室にいる理事はマイク代わりの受話器を次々とつかんで発言、スピーカーからは、自宅にいる理事からの発言が流れます。
始まる前は、初めてのことでもあり、上手く意思疎通が出来るか不安でした。相手の表情が見えない中で話し合いなど出来るのだろうか、コミュニケーションは言葉だけでなく表情や仕草も含めて成り立つもの、という思いが強かったからです。
しかし、そんな心配は杞憂でした。とても充実した会議になったのです。理由は、貴重な時間を共有しているという緊張感があり(電話料金もかかる!)、話す前に、出来るだけ発言内容を整理し言葉も選んで正確に伝えようとしたからです。また、相手を目の前にしていないからこそ少し言いにくいことも言えたようです。理事会は、これまで、ややもすると雑談に脱線しがちな面もありましたが、今回は軽快な中にもきりりと締まった会議となりました。(理事長)